コラム
汗とニオイについて
ちょっと参考
になるお話し
汗やニオイについて

気温や湿度が高まるとともに気になるのが汗やニオイですよね。
夏は特にドラックストアなどで販売されている制汗剤を使っている方は多いと思います。
そこでまずは、汗とニオイについてちょっと参考になるお話しをしますね。
「汗かき」と「多汗症」
汗をかくことは生理現象の一つで、上昇する体温の調節をする働きがあります。大量の汗をかく人は「私って多汗症?」と思っていませんか?しかし、大量の汗をかくこと=多汗症ではありません。
汗かき・・・運動をした時や夏の暑い時期は体温調整にともない汗をかきます。その際、敏感に反応して大量の汗をかくことを「汗かき」といいます。
多汗症・・・体温調整の必要がないのに大量の汗をかくことです。
「汗のニオイ」と「わきが」
汗のニオイとわきがは異なります。
まず、エクリン汗腺から分泌する汗にはほとんどニオイはありません。しかし、汗をかいたままにすると常在菌が増殖し「汗のニオイ」を引き起こします。これを私たちは「汗臭い」と感じます。
汗のニオイは汗をかいた時にすぐに拭き取ったり入浴することで解消できます。
一方、わきがは鼻につんとくるようなニオイが特徴で、アポクリン汗腺からでる汗が原因です。
汗を拭いたり清潔に保ったとしてもわきがの根本的解決にはなりません。
同じような症状でも実は違いがあるんですね。また、その症状に合わせた対策や対処も大切です。次回は汗やニオイの対策・対処法についてです。
汗とニオイ~セルフケア編~

汗やニオイの対策・対処法はさまざまにありますが、今回はセフルケアについてです。
制汗剤
・拭き取り・スプレー・直接肌に塗り込むスティックタイプの3種類。
・スティックタイプが一番持続効果があるものの、数時間程度と一時的な効果である。
・汗をかいた直後の拭き取りにはスッキリした感じを味わえ気持ちよい。
衣類
消臭効果のある下着や靴下を着用するとよい。また、湿度の高い時期はクローゼットやたんすには除湿剤を使いましょう。
食生活
ニオイを発生しやすくする植物性たんぱく質や脂肪が多く含まれる肉類よりも、野菜中心の食生活が良い。
ワキ汗パッド
・汗染みが目立ちやすい服装のときでも安心。
・予備を持ち歩けば、大量の汗をかいた後でもつけ直しができる。
洗濯
除菌・抗菌効果のある洗濯洗剤を使用する。
ツボ
・乳首の少し上に汗を止めるツボがあるということで専用ベルトも販売されている。
・合谷(ごうこく)は熱を鎮める効果により多汗症や汗やほてりに効果的。
・復溜(ふくゆ)は体内の水分をコントロールし発汗抑制の働きがある。
・身柱(しんちゅう)は熱を鎮める効果で火照りを感じる人に効果的です。
汗とニオイ~医療機関編~
医療機関で行われている治療法についてです。
ボツリヌス注射

・汗腺の働きを衰えさせることにより汗の量やニオイを軽減させます。
・個人差はありますが、持続効果は半年~1年ほどです。
・夏の時期、一時的に汗の量を抑えたい方や、手術にお抵抗のある方におすすめです。
マイクロウェーブ

・ミラドライという機械を用いてマイクロウェーブ波を照射し汗腺を破壊します。
・メスを使わないわきが治療で傷跡が残らないのが特徴。
・治療直後は一時的に腫れることもありますが、ほぼダウンタイムなく日常生活を送ることができます。
シェービング法
・カミソリの刃がついた特殊な器具で皮膚を小さく切開した部分から差し込み、汗腺を皮膚の裏面から削り取る方法。
・傷跡が目立ちにくい。
剪除法
・わきの下のシワに合わせ3~5cmほど皮膚を切り皮膚を回転させ、アポクリン腺を目で確認しながらハサミで取り除く方法。
・手術後3日間は手を動かしにくく、1週間は肩関節は動かせません。
・健康保険で受けられる治療法です。

梅田院院長 井畑峰紀
たとえ医療機関での治療であっても、100%汗やニオイをなくすことはできません。皮膚そのものを取らない限り汗腺を完全になくすことができないためです。
ですが改善はします。汗やニオイの相談ってちょっと恥ずかしいけれど、信頼できる家族や友人に率直に聞いてみたり、医療機関に相談に行ってみるとよいでしょう。